「ああ疲れた」
と、高原先生は言った。
「保健室はね、生徒の素顔の見えるところ。職員室では見せない顔を、私は見てきた。他の学校のことは全くといっていいほど知らないけれど、東高の生徒はみんないい顔だったと思う。そりゃあ大変なこともたくさんあったし、もう辞めたいと思ったこともあったよ。でも、今はね、あんないい生徒に囲まれて仕事が出来たことを、私は感謝しとると。東高で仕事をしたことは、私のたった一つの誇り。
先生、忘れずに書いとってね、『ありがとう』って」
先生の東での思い出はまだたくさんあるという。
今回はひとまずこれまでとし、休憩時間に入ろう。
『続き』はまたのお楽しみに。