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トンチンカン人形


「兵器が作られている限り人形を作っていく」

久保田 馨の『トンチンカン人形館』(仮称)設立に向けて

  長崎が生み出したトンチンカン人形作家、久保田馨(かおる)氏が亡くなって早や25年になろうとしています。トンチンカン人形は世界の中でも希なる独創的な作品です。その創造性は世界の一流造形作家と比べても何ら遜色ない高度な次元を誇っています。

  しかしながら、作品のほとんどがおみやげ品店で売られていたということもあり、行方もわからず離散し、消えていこうとしているのが現状です。このままだと、いつかは全作品が忘れられ、消滅していくことでしょう。

  現在確認している人形、面などは正確ではありませんが、600~700体。俳句約600句。俳画約100~150枚。デッサン絵20~50枚です。今後の運動、情報の拡がりいかんによっては眠っている多くの作品が出現することも考えられます。
 久保田氏の作品の根底にあるものは、人間存在の不条理性、その不思議さ、悲しみ、喜びです。それをトンチンカンなるものととらえ、人形に、お面に、俳句に、絵に表現しましたが、その視座は原水爆を作ってしまった人間への怒り、悲しみともなり、「兵器が作られている限り人形を作っていく」と宣言し、実行したのでした。

  戦後50年を迎えたこの時期、久保田氏の平和を願った志を受けつぐためにも、人形館設立へ向けての呼びかけをしたいと思います。多くの人々の協賛署名をもって、各機関へ設立への呼びかけもしたいと思っています。

 次ページの「人形館設立主旨試案」はあくまで私個人の夢の構想にすぎません。もっとより良いアイデアがございましたら、どんな小さなご意見でもお聞かせください。準備委員会ができましたら、賛同いただけるみなさまと構想を何度も練り直しながら具体的、現実的なものへと設計していきたいと思います。

 人形館設立主旨にご賛同いただける皆様からのご支援をお待ちしております。

平成7年4月吉日 渡辺 千尋


『トンチンカン人形館』(仮称)設立主旨試案

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