17回生平井杏子さん(本名:平井法)の新著をご紹介します。平井さんは、アイリス・マードックやカズオ・イシグロの英文学研究者ですが、アガサ・クリスティについても2010年に『アガサ・クリスティを訪ねる旅』を出版され、NHK文化講座でアガサ・クリスティ講座を長年、担当されてきました。この度、アガサ・クリスティの総合案内書とも言える、新著を出版されましたのでご紹介します。

表紙

◆著者 平井杏子(17回生)
◆出版社 大修館書店
◆判型 四六版
◆頁数 132頁
◆ISBN 978-4-469-24682-7
◆発行日 2025年7月10日
◆定価 1,700円 (税込1,870円)
◆購入 amazonなどネット書店
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◆著者略歴
1965年 長崎東高卒業
1969年 昭和女子大英米文学科卒業
同大学近代文化研究所助教授を経て、大学院教授となる
現在、昭和女子大名誉教授
◆著書
『アイリス・マードック』(彩流社、1999年)
『アガサ・クリスティを訪ねる旅』( 大修館書店、2010年)
『カズオ・イシグロ―境界のない世界』(水声社、2011年)
『ゴーストを訪ねるロンドンの旅』(大修館書店、2014年)
『カズオ・イシグロの長﨑』(長崎文献社、2018年)
その他、共著、翻訳も多数。
目 次
まえがき
1.アガサ・クリスティってどんな人?
Q2 いつ、どこで生まれましたか?
Q3 父親はどんな人でしたか?
Q4 母親はどんな人でしたか?
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Q29 晩年はどんな暮らしでしたか?
Q30 子孫にはどんな人がいますか?
2.作品の登場人物はどんな人?
Q32 エルキュール・ポアロはどんな人ですか?
Q33 【ネタバレ注意】ポアロの生い立ちや家族は?
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Q47 ミス・マーブルってどんな人ですか?
Q52 ミス・マーブルはどのように事件を解決しますか?
Q56 ポアロとミス・マーブルが出会ったことはありますか?

3.どんな作品ですか?
Q61 よく使われるトリックにはどんなものがありますか?
Q62 【ネタバレ注意】作品に使われた毒薬には
どんなものがありますか?
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Q71 日本が登場する作品はありますか?
Q72 英国人のことはどのように描かれていますか?
4.どのように読まれ、楽しまれている?
Q91 【ネタバレ注意】物議を醸した作品はありますか?
Q92 差別的表現が指摘されたことはありますか?
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Q97 アガサは作品の映画化をどう感じていましたか?
Q98 ポアロ役の俳優にはどんな人がいますか?
あとがき
年表
◆内容紹介(まえがきから抜粋)
「アガサ・クリスティは、シェイクスピアと並ぶ世界一のベストセラー作家です。中短編や戯曲を含めると250作以上の作品を執筆し、ユネスコが公開する書籍翻訳データベース(Index Translationum)によれば、世界中でもっとも多くの言語に翻訳された作家でもあります。彼女は天賦の才にに恵まれた作家でした。驚くべきトリックをいくつも創案して、後に続く作家たちに大きな影響を与え、〈ミステリの女王〉と呼ばれるようになりました。」

 アガサ・クリスティは推理小説ファンならずとも誰もが知っているベストセラー作家です。アガサの作品は、今も出版され続け、映画やテレビドラマ化され、多くの作品をyoutubeやDVDでも視聴できます。
 英文学研究者の平井杏子さんがアガサ・クリスティにフォーカスしたきっかけは、カズオ・イシグロがアガサの愛読者だったことだそうです。平井さんの興味はアガサとかかわりのある地を尋ねることからはじまりましたが、次第に作品の内部に深く分け入る楽しみを知られたとのこと。
 本著は、一問の回答が一頁にまとめられ、読みやすい構成になっています。入門者への案内書というだけでなく、アガサの作品に馴染んでいる方にも、全体像を浮かび上がらせてくれる、そしてちょっとマニアックなトピックも楽しめる内容になっています。巻末の「できごと」「出版」「演劇・映画・テレビドラマ」項目を設けた年表は貴重な資料です。
文責:17回生 井上早苗( 2025/09/08)
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