20回生、船橋芳信さんの新著をご紹介します。著者が弟さんを頼ってイタリアへ渡り、そこで仕事(パタンナーから服飾デザイナー)をしながら、本場のオペラに魅了されたこと。特にミラノへ移住してからは毎日のようにミラノ・スカラ座へ通い詰め、イタリアや日本などの多くの人々と交流し、ついには自分のアトリエでコンサートを開催するまでになることが、情熱的に書かれています。記載された人名の多さは驚嘆するほどで、それだけイタリアでの42年間の濃密さを示しているようです。是非読んでみてください。 (文責;20回生 賀來 秀文)


◆著者 船橋芳信(20回生)
◆出版社 EHESC出版局
◆判型 新書(105×173mm)
◆頁数 223頁
◆ISBN 978-4-924671-84-3
◆発行日 2024年8月2日
◆定価 本体1,300円+税
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◆著者略歴
1975年 早稲田大学大学第二文学部卒業
1980年 イタリアローマ遊学
1985年 ミラノに「Sutudio Ypsilon」を設立
2023年 42年のイタリア生活に終止符を打ち日本に帰国
現在、弟幸彦氏経営の高級紳士服ブランド「Sartoria Ypsilon」で活動

目次
1 ローマからミラノへ、そしてオペラ
なんちゃってイタリア!
2 イタリア各地でフリーランスでの活動
親愛なるEnzinoとの出会い
3 ミラノへ、1981年
4 オペラに惹かれ 至高の感動を知る
5 SPレコードでオペラを聴く
6 述語制言語と音楽
主語制言語の国イタリア生活の中で
7 運慶とミケランジェロ
8 古波藏保好先生の事
感覚と好みを保つ人
9 天正遣欧少年使節
ローマを観た日本キリシタンたち
10 茶道と坐禅
自己滅却との邂逅
11 マエストロ・ジャナンドレア・ガヴァッツェーニ
12 音楽はスピリチュアルな!
音楽は宇宙、神との邂逅
13 アトリエ・コンサート!
質の高い、敷居の低いコンサート
14 椿姫考証
ヴェルディへの素顔への接近
15 ランピーナの仲間たち
食べる人、料理する人
ファッションは流れて!
あとがき

◆著者あとがきより
 「なんちゃってイタリア」を書きながら、イタリア生活の良さをしみじみと感じています。イタリア人のホスピタリティ、親切心、友情、イタリアに住んでいた頃、あれほど日本人の何たるかに、イタリア批判、日本人の優秀さを夢見ていたのが、帰国後僅か半年も持たず、日本人が変になったと感じてなりません。
 述語制言語の作り上げた社会での慣習、良識、相手の身になって考える日本人だけにあった感覚が、消滅しつつあります。この視点で見ると諸々の分野での、成果、結果に、息が詰まった物質的な新鮮さに欠けたと感じられるものばかりです。なんちゃってイタリアが、上手く、そんな感覚、感受性を書けていたら良いのですが・・・
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