同窓会事務局ということで五十周年事業に大きくかかわることになりましたが、身の引き締まる思いと、この大役がつとまるかという不安が交錯し複雑な心境で毎日を過ごしております。
今回の開幕事業(平成九年十月三十日 大盤石、十一月四日 開幕式典、祝賀会)までに、同窓会、pta、学校のそれぞれの実行委員会発足(平成七年九月)以来、三者合同委員会の発足、記念事業の検討、募金活動など、約二ヶ年の長期にわたり、多くの関係者によって検討と準備がなされ、ようやくスタートしたというのが実感です。
記念事業の中でも特筆すべき事業について紹介という形で触れてみたいと思います。nhk交響楽団の演奏会(平成十年十月二十五日)長崎市に新設される音楽堂ブリックホールの柿落としの一環にもなり、すばらしい会場で一流の音楽に直接触れることをみんな期待しています。
次に記念像、「爽(そう)」の除幕式(平成十年二月二十七日)。若い人達の明日への明るい想いを像に託しながら制作されたそうですが、笹戸、佐藤両先生が記念像の打ち合わせに来校されてた折りの特別講演に生徒や関係者が感動した事を今でも鮮明に覚えています。
これらの事業は一流、本物に直接触れるという点で、日本一を目指す東高だからこそ実現可能だと思っています。
さらに五十年を節目に旧西山校舎の復元模型製作や資料収集を図りながら、記念資料館の開館(平成十年十月東高)を目指しています。ここでは会員の皆様の御指導や御協力をいただく事が多いと思いますがよろしくお願い致します。
また、この記念年の中で生徒から論文を募集し、優秀作品者にはヨーロッパへの研修旅行(平成十年八月、十~十五名)を企画しています。
皆様もテレビ等でご存じかもしれませんが、「東龍(龍造りと龍踊り)に取り組んでいます。この準備は約一年前から始まり「かしら」から「しっぽ」まで本物と同じ材料を用いさらに六千四百枚のうろこには生徒や関係者の名前と願いが記入されています。龍踊りも専門家の御指導を仰ぎ、体力の限界まで挑戦し、完成したもので、開幕式典の後に披露されました。東高への想いが形として表された東龍は、「おくんち」の再来かと思えるような立派なものでした。文字通り「みんなで作り上げ、みんなで演出した東龍踊り」と絶賛できると固く信じています。
わたしはこの「東龍」という事業で生徒達と文化を創造していく喜びが、そしてその課程から生まれてくる東高への所属感や連帯感とが一体化していく様子に感動を覚えずにはいられませんでした。
今まで述べた事業はまとめてこういう見方ができないでしょうか。
今回の事業は同窓会、pta他、関係者のお陰で実現可能なものばかりですが、形ばかりでなく本質的にも五十周年事業として平田徳男校長先生を中心に日本一を目指す東高ならではのものであり、他校には見られない大きな特色だと思います。
先日「五十周年記念年の意義」について全校生徒の前で話す機会がありました。それぞれが高い理想をもち、「伝統を胸に、新たな未来へ(テーマ)」と出発できるよう実現、努力してほしいと…
生徒たちが主役、五十周年事業をやったという単なる行事日程の消化的なもので終わらせたくはありません。百年後の東高のさらなる発展を祈念し、また在京同窓会をはじめとする各地で御活躍の皆様の御指導と御協力に感謝しながら、記念事業を成功に導きたいと思っております。